MacBook Proのファンが、いつも回っていました。何か重い作業をしているわけでもないのに、本体を触ると熱い。そういう状態が、1年ほど続いていました。
原因は、セキュリティソフトでした。気づくまでに1年かかりました。
はじめにお断りしておきます。ここに書くのは、私のMacで実際に起きたことです。環境によって結果は変わりますので、一例として読んでいただければと思います。
先に結論
- ファンが回りっぱなしで熱いなら、セキュリティソフトの「リアルタイムスキャン」を一度切ってみてください
- 🚨 ただし、切るだけでは足りませんでした。私の場合、切っても75℃のままで、アンインストールして初めて44℃まで下がりました
- 常に守っておきたいなら、第三者のテストに出ている製品から選び直すという手があります
実際に測った3つの数字
先に結果をお見せします。すべて同じMac(MacBook Pro)で、CleanMyMacというアプリで測ったものです。
| 状態 | CPU温度 |
|---|---|
| ① マカフィーのリアルタイムスキャンがオン | 90℃ |
| ② リアルタイムスキャンだけオフ(ソフトは入れたまま) | 75℃ |
| ③ マカフィーをアンインストール(+再起動) | 44℃ |
いちばんお伝えしたいのは、②と③の差です。
リアルタイムスキャンを切っても、75℃までしか下がりませんでした。「切ったのに、まだ熱いな」と思いながら、そのまま1年使っていたのです。
⚠️ なお、③を測ったときはMacがほぼ休んでいる状態でした。そのときの働き具合によって温度は変わりますので、数字は目安として見てください。ただ、1年間ずっとファンが回っていたものが、静かになった——これは間違いのない変化です。
何が起きていたか
使っていたのはマカフィー リブセーフです。何年も入れっぱなしにしていました。
MacBook Proは、いつファンが回っているのか分からないくらい、いつも回っていました。動画を書き出しているわけでも、重いソフトを開いているわけでもありません。ただブラウザを開いているだけで熱い。そういう状態です。
「Macとはこういうものだろう」と思って、1年ほどそのまま使っていました。
気づいたきっかけは、MacBook Airでした
あるとき、MacBook Airを触っていて気がつきました。
MacBook Airにはファンがありません。それなのに、熱くないのです。
ファンが無いほうが涼しくて、ファンがあるほうがずっと回って熱い。これはおかしい、と思いました。同じような使い方をしているのに、片方だけが熱くなる理由があるはずです。
温度を測ってみたら90℃でした
CleanMyMacというアプリで、CPUの温度が見られます。それで測ってみました。
90℃ありました。
何もしていない状態で、この温度です。触って熱いと感じるのも当たり前でした。
リアルタイムスキャンを切ったら、収まりました
思い当たるのは、常に動いているものです。セキュリティソフトのリアルタイムスキャン——ファイルを開くたび、保存するたびに、その場で検査している機能です。
これを切りました。ソフト自体は消していません。機能をひとつ止めただけです。
それで、いくらか静かになりました。90℃が75℃になりました。
🚨 ところが、切っただけでは足りませんでした
75℃。よく考えると、これもまだ高いのです。何もしていないのにこの温度で、ファンもときどき回っていました。
「切ったのだから、もう関係ないだろう」——そう思って、そのまま1年ほど使っていました。
思い切ってアンインストールしてみて、驚きました。
消したあとにMacの中を調べてみたら、マカフィーが起動時に自動で動かしていた仕組みが、15個ありました。定期スキャン、スキャン管理、更新、ネットワーク監視——リアルタイムスキャンを切っても、これらは動き続けていたのです。
アンインストールして再起動したあと、同じように測りました。
44℃でした。
ファンの音がしません。1年間あった音が、消えました。
アンインストールは、ゴミ箱に入れるだけでは終わりません
ここは大事なところです。アプリをゴミ箱に入れても、上に書いた15個は残ります。
マカフィーの場合、「アプリケーション」フォルダの中に専用のアンインストーラが入っています。「McAfee … Uninstaller」という名前のものです。それを実行してください。
そして 🚨 終わったら必ずMacを再起動してください。再起動しないと、常駐している部分が止まりません。
ご自分のMacで確かめる方法(アプリを入れなくてもできます)
私はCleanMyMacで温度を見ましたが、何も入れなくても、原因を探すことはできます。Macに最初から入っている「アクティビティモニタ」を使います。
- 画面右上の虫めがねをクリックし、「アクティビティモニタ」と打って開きます
- 上のほうにある「CPU」をクリックします
- 「%CPU」という列の見出しをクリックします。数字の大きい順に並びます
- そのまましばらく眺めてください
見るのは、ずっと上のほうに居座っているものです。一瞬だけ上がるのは正常で、問題は「何もしていないのに、いつも上位にいるもの」です。
そこにセキュリティソフトの名前(マカフィーなら McAfee で始まるもの)が並んでいたら、それが原因の可能性が高いです。ファンが回っているときに見るのがコツです。静かなときに見ても分かりません。
なぜリアルタイムスキャンは重くなるのか
難しい話ではありません。ファイルを開くたび、保存するたび、その場で中身を調べているからです。
ふだん意識していませんが、Macは裏側で山ほどファイルを読み書きしています。ブラウザを開いているだけでも、キャッシュという一時ファイルが次々に作られます。その一つひとつを検査していれば、当然そのぶん働きます。
働けば熱くなり、熱くなればファンが回ります。私のMacで起きていたのは、たぶんこれです。
そもそもMacには、最初から守りが入っています
意外と知られていませんが、Macには何も入れなくても、いくつかの守りが最初から働いています。
- Gatekeeper(ゲートキーパー) … 出どころの分からないアプリを、そのままでは開かせない仕組み。「開発元が未確認のため開けません」と出るあれです
- XProtect(エックスプロテクト) … 知られている悪いソフトを見つけて止める仕組み。裏側で静かに更新されています
ですので、「何も入れていない=丸腰」ではありません。
ただ、これで十分かというと、そうとも言い切れません。最近の被害はウイルスよりも、偽のメールやサイトで自分から入力してしまう形が中心です。そこはソフトより、怪しいものを開かない習慣のほうが効きます。
🚨 調べてみて、驚いたことがあります
この記事を書くにあたって、セキュリティソフトの第三者テストを調べました。AV-Comparativesという、ヨーロッパの独立した検査機関があります。ここが毎年、Mac用のセキュリティソフトをまとめて調べています。
2026年のテストは、2026年4〜5月に実施、6月17日に公開。最新のmacOS(Tahoe)で調べられています。
そこで調べられた9製品が、これです。
| 製品 | マルウェアの検出率 |
|---|---|
| Kaspersky Premium | 100% |
| CrowdStrike Falcon | 100% |
| ESET HOME Security Essential | 99.9% |
| Norton AntiVirus Plus | 99.9% |
| Avast One Free | 99.9% |
| AVG AntiVirus Free | 99.9% |
| Bitdefender Antivirus | 99.0% |
| Trellix Endpoint Security | 99.0% |
| Intego ONE Complete | 96.7% |
(出典:AV-Comparatives「Mac Security Test & Review 2026」)
お気づきでしょうか。マカフィーも、ウイルスバスターも、この中にありません。
日本の家電量販店でいちばん目立つ場所に置かれている2つが、この第三者テストに出ていないのです。
そしてもう1つ、書いてあったこと
同じテストの、動作の重さについての結論がこれです。
調べた製品のどれにも、意味のあるパフォーマンス低下は見られなかった
つまり、ここに載っている9製品を使っているなら、重くなることはあまり心配しなくていいということです。
そして繰り返しますが、私が使っていたマカフィーは、そこに載っていません。
これは「マカフィーが悪い」という話ではありません。テストに出ていないだけで、悪いという証拠でもありません。ただ、私のMacでは、実際に90℃まで上がっていた——それが事実です。
では、どうすればいいか
| こういう方 | やること |
|---|---|
| ファンが回りっぱなしで困っている | まずリアルタイムスキャンを切る。それで収まるか見る(お金はかかりません) |
| 🚨 切ったのに、まだ熱い | アンインストールまでやってください。私はここで1年ムダにしました。切っただけでは常駐が残ります |
| 切ったら収まったが、守りが不安 | 上のテストに出ている製品から選び直す。🚨買う前に、お使いのMacとmacOSに対応しているかを必ずメーカーのページで確かめてください |
| そもそも要るのか分からない | Macにも標準の守りがあります。ただ、2026年のいま「Macは安全」とは言い切れません |
| とりあえず様子を見たい | 切ったままでも構いません。ただし守りは弱くなります |
リアルタイムスキャンを切るときの注意
切ると、ファイルを開いた瞬間に検査してくれなくなります。守りが弱くなるのは事実です。
ですので、切ったままにするなら、怪しい添付ファイルを開かない・知らないところからソフトを入れない——この2つだけは気をつけてください。この2つを守れていれば、実際のところ、ほとんどの危険は避けられます。
よくある質問
Q. ファンが回るのは、本当にセキュリティソフトのせいですか
私の場合はそうでした。ただ他の原因もあります。ブラウザのタブを開きすぎている、バックグラウンドで同期が走っている、macOSの更新中、といったものです。切ってみて収まらなければ、別の原因です。
Q. 温度はどうやって見ればいいですか
私はCleanMyMacで見ました。専用のアプリを入れなくても、「アクティビティモニタ」でCPUを何が使っているかは見られます。そこにセキュリティソフトの名前が並んでいたら、疑ってよいと思います。
Q. 90℃は危険ですか
すぐ壊れるという温度ではありませんが、ずっとその状態なのは気持ちのいいものではありません。ファンが回り続ければ音もしますし、バッテリーの減りも早くなります。
Q. MacBook Airならこの問題は起きませんか
Airはファンがありませんので、少なくとも音では気づけません。ただ熱は持ちます。私の場合は逆に、ファンの無いAirが熱くないことで、Proのほうがおかしいと気づけました。
Q. 無料のものでもいいですか
上のテストでは、AvastとAVGの無料版も99.9%でした。検出率だけを見るなら、無料でも数字は出ています。
まとめ
1年悩んだ末の答えは、「切るだけでは足りない。消すところまでやる」でした。
- ファンが回りっぱなしなら、まずリアルタイムスキャンを切ってみる(お金はかかりません)
- 🚨 それでもまだ熱いなら、アンインストールまでやる。切っただけでは、起動時に動く仕組みが残ります
- アンインストーラを使って、終わったら必ず再起動。ゴミ箱に入れるだけでは終わりません
- 守りも欲しいなら、第三者テストに出ている製品から選び直す
90℃が、75℃になり、44℃になりました。そして1年間鳴っていたファンの音が消えました。
もし同じようにファンが回り続けているなら、お金をかける前に、この順番で試してみてください。私のように、途中でやめてしまうと1年損をします。
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